建築家:戸髙 仁人(トルム建築計画事務所)
建築家コメント
この土地は、南側に2階建ての建物があり、また道路幅員が2.5m。そのため距離が近くどのように採光を取り入れるかが課題。また、北側は国道にあたり音の問題もクリアにする必要性がある。建物が迫りくるような圧迫感はないが、大きく開くことのできない敷地。
敷地形状
戸高氏は、どんな土地形状であれ必ず良し悪しがあり、プランを検討する上で、その土地のメリットをしっかりと掴むことができれば、快適な住まいは造れるという。
今回、通常設計のセオリー通りに行けば、道路並行に建物を配置していくが、今回は違った。建物を真南へ振り、コの字型の中庭を設け、中庭に光を落とし込むことで格段に明るさが増す。直接的な明るさだけではなく、反射光を使い室内全体に明るさが届くようあえてコの字に。
中庭の利点
・隣地建物からの距離を取ることができ、光を満遍なく取り入れ室内全体を明るく照らす。
・道路面に窓を配置する必要性がなくなるため、プライバシーの確保ができる。
・自分たちだけのプライベート空間を確保できる。
三角の土地を最大限に活用し、デッドスペースには、自転車置場、倉庫スペースとして活用。
建物の裏手には、お子様の部活動の練習ができるようバッティングスペースを用意。活用しないときは、BBQスペースとしても活用可能。
三角の土地は、デッドスペースが出来やすい。ただしそのスペースを有効活用できるようにプランニングすれば一石二鳥。
比較的に安価で取引がされているわけだから、活用する手はない。
どんな変形地でも、見方を変えれば素晴らしい土地にもなる。変形地こそ我々アトリエ建築家の腕の見せ所。
クライアントのライフスタイルを忠実に
6名家族のオーナー様。お子様は野球をやっていることもあり毎日泥だらけ・・・ご主人もお外でのお仕事・・・そんな悩みを、2WAY(家族と来客用)導線にて解決。
玄関からWICへの導線を確保することで、帰宅後すぐにシャワーを浴びれるよう設置。導線を短くすることで、学校用品や身支度が楽になり、乾燥機で乾かした衣類をそのままWICへ収納が可能な家事ラク導線。
夏物は、1階に収納スペースを用意し、冬物は2階WICへ収納
キッチンに滞在する時間が長い奥様。その場から家全体が把握できると嬉しいという要望もあり、家の中心にキッチンを配置。ご自身の趣味であるピアノ室からも子供のデスクスペースまで見ることができ、離れていてもお互いの存在を感じられる空間に。
ウッドデッキや庭で子供たちが遊んでいても、室内から様子が確認できるので安心してコーヒータイム。
外から荷物の出し入れが簡単にできるよう駐車場側へパントリーを配置。BBQセットや買い物した荷物を簡単に運べるので雨の日でもお出かけが楽しみに。
提案資料
(物件概要)
敷地面積:221.43m2(66.48坪)
床面積 :102.27m2(30.39坪)
建築面積:110.13m2(33.31坪)
(性能表示)
UA値 :0.53
ηAC値 :1.5
C値 :0.4
基準一次エネルギー消費量から55%削減
断熱等級:5【ZEH水準クリア】